BPAフリーとは何?用語の意味と危険度を解説する

BPAとはビスフィノールAというプラスチックの材料や添加剤として使われる化学物質で、近年環境や人体への影響で話題となっております。

つまり、BPAフリーとはBPAを含まない製品の事になります。

BPAはプラスチック製品や食品用容器、缶詰めの内面塗装から飲食物へ溶け出すことがあり、微量ながら人体へ摂取される事があるとされています。BPAは年間40-50tほど製造・輸入されるとされ、その9割近くがポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂等の合成原料として使用されると言われています。

海外製品にBPAフリーと書かれている商品を見たことがありませんか?

海外ではそれくらい過敏になっている部分もあります。日本においても規制はありますが、消費者の間ではあまりBPAフリーに関しての意識はないようです。

プラスチック化学物質であるBPAについて解説していきます。

目次

BPAはどうして注目されたのか。

近年の研究で今まで許容範囲とされていた値よりも少ない量内分泌かく乱の作用があると報告されました。

内分泌かく乱物質とは
内分泌系の機能を変化させることにより、健全な生物個体やその子孫、あるいは集団(またはその一部)の健康に有害な影響を及ぼす外因性化学物質または混合物のこと。

日本においては内分泌かく乱物質の話題があってからはポリ製の哺乳瓶や食器の販売はほとんどなくなっていて、BPAの曝露(ばくろ)量は大幅に低減されています。しかし、BPAの代替化学化合物が開発され、その使用量は年々増加傾向にあります。

そういった状況を踏まえ、BPAに関心を持つ人が増えたことで注目されてきました。

BPA摂取による人体への影響について

BPAに関しての動物実験によると、内分泌かく乱物質であるBPAを摂取することで内分泌疾患や不妊症、精子減少、心疾患、糖尿病、乳がんや前立腺がんにつながる可能性があるとされています。

また、妊婦の血清、臍帯血、胎児血清、羊水および胎盤でBPAが検出されたとされています。

とても恐ろしい事ですね。

BPAの人体への侵入経路

BPAの人体への侵入経路は主に食です。

ポリカーボネート製の食器・容器等、食品缶詰のエポキシ樹脂の内面塗装から食品へ移行し摂取されます。
また、熱や缶の劣化などもBPAが染み出す原因となっており、注意すべき点でしょう。
子供においてはポリ塩化ビニル製おもちゃの安定剤として添加されたBPAによって侵入することもあります。

BPA低減の動き

日本における動き

1998年以前は缶詰食品(コーヒー缶、食品缶など)から高濃度のBPAが検出されたと報告されています。
以後はメーカーによって塗膜中のBPA含有量を減らし、缶からのBPAの溶出は大幅に減少したとされています。

日本製缶協会は飲用缶5 ng/ml以下、食品缶10 ng/ml以下という自主基準を設定しています。

海外における動き

ヨーロッパ各国やアメリカ、カナダにおいても同様の問題が提起されております。
どの国においても低減する方針ではありますが、禁止するまでは至っておりません。

日本と同様に健康リスクに対する問題はないとされており、研究はこれからでしょう。

また、海外の缶は改良が行われておらず、BPAの含有量が多いともいわれています。
こういった観点からBPAフリーと書かれた商品が存在します。それだけ気にされているという事ですね。

BPAを摂取しないようにするためには?

BPAの危険性についてはおおむね伝わったかなと思います。
ではどうやったら摂取しないようにできるのか?

実際には難しい面も多いですが、意識して実践する事が大事です。

いくつか提案してみましょう。

①缶詰・缶コーヒーなどを控える

BPAの浸み出しは主に缶製品の内面塗装であることは述べました。
保存食に便利ではありますが、出来るだけ減らしたいところです。

缶コーヒーは香料や甘味料の問題もありますから、控えるべきポイントでしょう。

②プラスチック梱包された食品の摂取を減らす

今の日本においてプラ梱包は避けられないところはありますが、肉や魚は梱包されていないものを選ぶ事がおすすめされます。バラ売り野菜や量り売りの肉、魚など気を付ければ摂取を減らすことは出来ますね。

③プラスチック容器は避ける

食品を保存する場合に安い、軽いといった理由からプラスチック容器(タッパー)など使用しますね。
そのまま電子レンジで加熱したことを考えてみて下さい。BPAのお祭り状態です。

ガラス容器を用いることでBPA浸み出しのリスクは大幅に軽減できますね。

④子供用おもちゃは木製のものを選ぶ

これまた塗装の問題はおいといて、木製のものを選ぶことでBPAのリスクは回避できます。
大切な子供はBPAから守ってあげたいですね。

すべてを木製にとは言えませんが、分からずに口に入れてしまう1歳過ぎまでは特に気を付けたいです。

⑤海外製品を避ける

海外製の缶はBPAの含有が多いと言われているので、出来るだけ避けましょう。

また、海外製の缶製品や食器でBPAフリーという表記をよく見かけます。
BPAフリーにも落とし穴があって、冒頭で触れたようにポリフェノールAを使用していないだけで使用されているのは代替品に過ぎず化学物質の浸み出しリスクはありえます。

海外製缶製品 < BPAフリー表記の海外缶製品 < 海外製缶製品は買わない

といった意識が良いでしょうね。

とは言え、海外製の缶製品の方がオーガニックのものが多く、難しいところですね。

BPAについてのまとめ

BPAフリーという言葉を見る機会が増えてきたことから、BPAって何?って関心を持つ方が増えました。

なるべく固くならないようにゆるーく、まとめた形になります。
BPAの危険性については指摘される事も多い反面、影響はまだ不明瞭な点も多いです。

出来るだけ摂取しないに尽きますが、難しい問題でもあると思います。

プラスチック製ストローが紙ストローになった動きはご存知と思います。
そういった話題とともにBPAのリスクが世に知れ渡るには個人がこの話題を広め、拡散する必要があります。

常に意識し考える事。

それに尽きるかなと考える次第です。
BPAに関して少し意識してみましょうね。

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この記事を書いた人

本業は医療技術系の業務。子供が生まれたのをきっかけに食の安全について考える事が多くなり、オーガニックへの興味を持つようになる。そして食の安全や体にとってやさしい生活が出来るような情報を発信すべく、「ゆったりオーガニックライフ」を開設。読者にとって有益な情報が発信できるよう日々記事を執筆中。

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